著者：株式会社はがた

外壁塗装にガラスコーティングを検討しているけれど、「施工にどれくらい時間がかかるのか分からない」、「費用が高額になるのでは」と不安を感じていませんか。

紫外線や雨風による外壁の劣化は年々深刻化しており、築10年を超える住宅では塗膜の剥がれや汚れの付着が目立つケースも多く見られます。特にガラス系の無機コーティングは、塗料の中でも耐候性と耐久性に優れた技術として注目されており、メンテナンスの頻度を減らしながら美観を長期間維持できる点が支持されています。外壁材がサイディングかモルタルかによって必要な下地補修や塗布工程も変わるため、事前の診断や見積もり内容を正しく理解することが欠かせません。

本記事では、外壁ガラスコーティングの施工工程を診断から完了検査まで時系列で解説しながら、実際にかかる作業日数や乾燥時間、補修に必要な処置、さらには施工完了後の保証内容まで、経験に基づいた信頼性の高い情報をもとにお伝えします。

施工後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、外壁塗装を計画している方はぜひ最後まで読み進めてみてください。塗料の選び方から施工管理、そして美観と保護性能を両立させる方法が、きっと見えてくるはずです。

外壁塗装にガラスコーティングを選ぶ理由と本質的なメリット

ガラスコーティングの需要が高まる背景
外壁塗装においてガラスコーティングの需要が急速に高まっている背景には、住宅所有者のライフスタイルや住環境に対する意識の変化があります。近年、外壁の見た目の美しさやメンテナンスコストの低減に関心を寄せる方が増えており、その中で注目を集めているのが「無機塗料」であるガラスコーティングです。

ガラスコーティングは、紫外線や酸性雨に対する耐候性が非常に高く、従来の有機塗料では対応が難しかった経年劣化を抑えることが可能です。とくに都市部や海沿いなどの環境では、排気ガスや潮風、土埃などによる汚れや劣化が避けられません。従来の塗料では5年程度で塗り替えの検討が必要になることが多いのに対し、ガラスコーティングであれば10年から15年もの長期にわたって外壁の美観を保つことができます。

その需要を後押ししている要素として、以下のような背景があります。

・地球温暖化により紫外線の照射量が増加している
・資材価格の高騰により、塗装の回数を減らしたいというニーズが拡大
・中古住宅のリノベーション需要の増加
・DIY市場の成長により、耐久性の高い塗料を選ぶ方が増加

ホームセンターやネット通販でも、外壁用ガラス塗料の取り扱いが拡充されており、液体ガラス系塗料やスプレータイプなど、用途に応じた商品が人気を集めています。特にセルフクリーニング性能が高いタイプは、SNSや口コミでも高い評価を受けています。

このように、ガラスコーティングは高価格帯に位置づけられますが、その分だけ耐用年数が長く、結果的にメンテナンスコストを抑えることができるのが大きな特徴です。とくに高温多湿な地域や、酸性雨の影響を受けやすいエリアでは、他の塗料よりも優れた結果を実感されるケースが増えています。

また、近年は施工スピードも改善されており、早ければ3日から5日程度で完了する製品も登場しています。共働きの家庭や短期間での工事を希望される方にとって、大きな魅力となっています。

このように、ガラスコーティングは、見た目・耐久性・施工性のすべてにおいて優れた性能を発揮し、今後ますます外壁塗装の主流になっていくと考えられます。

ガラス塗料が選ばれる3つの共通要因
ガラス塗料が外壁塗装において選ばれる理由は、美観の維持、耐久性の向上、安全性の確保という3つの要素をすべて満たしている点にあります。

まず一つ目は、「美観を長く保てる」点です。ガラス塗料は非常に高い撥水性を持っており、外壁に付着した汚れや排ガスの粒子が、雨水によって自然に洗い流されます。いわゆる「セルフクリーニング効果」により、施工から5年以上経過しても外壁の光沢や色合いが持続している事例が多数報告されています。

次に二つ目の要因である、「長寿命化」です。ガラスコーティングは、無機成分を主成分としているため、紫外線や酸性雨によるダメージをほとんど受けません。従来のウレタン系やシリコン系塗料に比べて、塗膜の劣化スピードが極めて遅いため、再塗装のサイクルを大幅に伸ばすことが可能です。

以下は、主要塗料の耐久性と再塗装回数の目安をまとめたものです。

塗料の種類	想定耐用年数	15年間の塗り替え目安
ウレタン塗料	約6〜8年	約2回
シリコン塗料	約8〜10年	約1.5回
フッ素塗料	約12〜15年	約1回
ガラスコーティング塗料	約18〜20年	0〜1回

このように長期的な視点で見ると、初期費用がやや高くても、トータルコストでは割安になる可能性が高いです。実際、住宅ローンを利用したリフォームにおいて「次のメンテナンスまでの期間を延ばしたい」という希望が多く寄せられており、ガラス塗料はそのニーズにしっかりと応えています。

三つ目の要因は、「安全性の高さ」です。近年は、建材や塗料に含まれる化学物質が健康に及ぼす影響が注目されており、とくに小さな子どもがいる家庭や高齢者が住む住宅では、塗料の選定に慎重な方が増えています。ガラス塗料の多くはVOC（揮発性有機化合物）をほとんど含まず、環境にも優しい仕様となっており、シックハウス対策としても高く評価されています。

また、学校や医療機関、公共施設などでも、こうした安全性を理由にガラスコーティングの導入が進んでいます。日本建築仕上学会やJISの基準に適合した製品も多く、施工業者が取り扱いやすい点もメリットの一つです。

このように、ガラス塗料は美観・耐久性・安全性という3つの要素をバランス良く兼ね備えた、非常に優れた外壁用塗料といえます。とくに今後の住宅メンテナンス市場においては、長期的な資産価値維持のための手段として、ますますその存在感を高めていくことでしょう。

ガラスコーティング外壁の5つのメリット

セルフクリーニング効果と撥水性能

外壁の美観を長期にわたって維持する上で、ガラスコーティングの最大の特長の一つが「セルフクリーニング機能」と「高い撥水性能」です。これらの効果は単なるイメージや概念ではなく、実際の実証データによって裏付けられています。

セルフクリーニング機能とは、外壁表面に付着したホコリや排気ガスなどの汚れを、雨水が流れ落ちることで自然に洗い流す現象を指します。この効果をもたらすのが、液体ガラス塗料に含まれる無機質成分による表面構造の変化です。無機成分が硬化すると極めて滑らかで非親水性の高い塗膜が形成され、汚れの粒子が付着しづらくなります。また、付着したとしても、雨が降った際に雨水の丸い粒がコロコロと表面を滑り落ちる際に、汚れを巻き込んで落とす「ローリング効果」が発生するのが特徴です。

特に「ナノグラスコート」や「ハイパーガラスコート」といった高性能な外壁用ガラスコーティング剤では、撥水角が100度以上にも達し、他のフッ素系塗料やシリコン塗料に比べて圧倒的に水滴の滑落が早いという特性があります。撥水角とは、水滴が接触面と成す角度のことで、この角度が大きいほど撥水性が高いとされます。

また、従来の外壁塗装では頻繁に必要だったメンテナンス周期が、ガラスコーティングを施すことで大幅に伸びる点も魅力です。表面に塗布されたガラス成分は、紫外線や酸性雨の影響を受けにくいため、汚れやカビの発生頻度が減少し、洗浄や再塗装の回数を減らすことができます。とりわけ、大気中の有機物や花粉、黄砂が多く飛散する春先や秋でも、ガラスコーティングを施した外壁では汚れの付着が大幅に抑制されており、実際に札幌市や大阪市で実施された比較実験でも、施工後3年間にわたって洗浄不要だった事例が複数報告されています。

以下のテーブルは、一般的な外壁塗装との撥水性能および汚れ除去性能を比較したものです。

塗料種類	撥水角度（度）	汚れ除去率（3回降雨後）	特記事項
一般アクリル塗料	約60度	45％	汚れが残りやすい
シリコン塗料	約75度	68％	汚れは落ちるが再付着あり
フッ素塗料	約90度	81％	高性能だが費用が高め
液体ガラスコート（無機）	約105度	98％	高撥水＋セルフクリーニング機能

このように、撥水性と防汚性の高さは、結果的に「メンテナンス費用の削減」や「長期間美観を保つ価値」に直結します。外壁塗装を検討する際には、単に初期費用だけでなく、長期的な美観維持コストまで視野に入れた選択が求められます。

安全性と環境性能

ガラスコーティングの外壁塗装が注目される理由は、性能面だけではありません。実は、安全性と環境配慮の観点でも非常に優れた塗料として高く評価されています。特に近年では、小さな子どもやペットのいる家庭、化学物質過敏症に悩む方々にも選ばれるケースが増えています。

その大きな要因が「無機素材による構成」です。一般的な有機溶剤系の塗料には、トルエンやキシレンといった揮発性有機化合物（VOC）が多く含まれており、施工中の臭気や施工者・居住者への健康リスクが課題とされています。一方、液体ガラス塗料の多くは無溶剤タイプで、VOCの含有量が極めて少なく、F☆☆☆☆（フォースター）認定を取得している製品も多数存在します。

また、液体ガラスは化学的に非常に安定した素材で、加水分解によって人体や環境に有害な物質を生成しません。そのため、施工時に臭いが少なく、アレルギー反応を引き起こすリスクも抑えられています。特に、東京・大阪・愛知といった都市部では、リフォーム需要とともにアレルゲン対策としてのガラスコート需要も高まっており、健康面への配慮を重視する世帯で導入が進んでいます。

さらに、環境負荷という観点でもガラス塗装は優れています。長寿命かつメンテナンス回数が減ることにより、再塗装時に発生する廃棄物の削減や資材使用量の抑制につながります。加えて、施工後の外壁は熱吸収を抑える性質を持ち、建物の断熱性能向上にも寄与します。これにより、夏場の冷房効率が改善され、CO2排出削減にも貢献できるのです。

以下に、安全性と環境面での比較情報をまとめた表を示します。

項目	有機塗料	無機ガラスコート
VOC含有量	高め	極めて低い
臭気	強い	ほぼ無臭
アレルギー反応の可能性	高い	低い
耐候性・化学安定性	中〜低	非常に高い
メンテナンス回数	多い	少ない
CO2排出への寄与	少ない	冷暖房効率向上により貢献

このように、性能面だけでなく、家族の健康や環境への配慮まで考慮したい方にとって、外壁ガラスコーティングは非常に理想的な選択肢といえます。安全性を重視したい子育て世帯や高齢者世帯にも安心しておすすめできる外壁塗料です。

外壁ガラスコーティングの施工工程と期間目安

施工前の診断と下地補修工程

外壁ガラスコーティングを施工する前段階で最も重要なのが、事前の診断と下地処理です。外壁の現状を的確に把握し、適切な補修を行うことで、コーティングの密着性と耐用年数に大きな違いが生まれます。表面的に見えないひび割れやコーキングの劣化があるままガラスコーティングを施工すると、後に塗膜の剥離や水分侵入といった重大な不具合につながります。

事前診断では、まず外壁の劣化度合いを専門機器で確認します。クラック幅が0.3mm以上ある場合には、エポキシ樹脂による充填補修が必要となります。また、既存のシーリング材が硬化・破断している場合は、全面の打ち替えが推奨されます。特にALCパネルやモルタル壁においては、コーキングの状態が建物の防水性に直結するため、徹底的な確認が求められます。

下地補修では、以下の作業が主に行われます。

1. クラックのVカット処理とシーリング材充填
2. チョーキング除去および高圧洗浄
3. 既存コーキングの撤去と新規打ち替え（サイディング接合部含む）
4. 金属部・木部の錆止め塗布（付帯部に対して）

 

この段階で適切な補修を施していないと、後の塗装工程において塗膜の膨れや剥がれが発生するリスクが高まります。実際、第三者機関の外壁診断報告では、ガラスコーティング塗膜剥離事故の原因の約68％が下地処理の不備に起因していたという調査結果があります。

作業日数の目安としては、事前診断に1日、下地補修工程に1日〜2日程度が一般的です。ただし、既存の外壁材や劣化状況によっては3日以上要するケースもあります。特に築年数20年以上の建物の場合は、コーキング劣化が進行しており、全面補修が必要となる割合が高くなっています。

以上のように、施工前の下地補修はコーティングの性能を最大限に引き出すために欠かせない工程です。安易に見積もり価格の安さだけで業者を選ぶのではなく、補修内容の詳細や使用するコーキング剤の種類（変成シリコン系・ポリウレタン系など）までしっかり確認することが、トラブルのない外壁コーティングの第一歩となります。

まとめ

外壁塗装にガラスコーティングを取り入れることで、耐久性と美観を長期間保ちつつ、将来的なメンテナンス費用を抑える効果が期待できます。特に、耐候性に優れた無機塗料を使用したガラスコートは、紫外線や雨風、汚れの付着から建物を保護し、施工後の美しさを10年以上維持できるケースも少なくありません。

しかし、その効果を最大限に引き出すには、施工前の下地診断やクラック補修、コーキングの打ち替えといった丁寧な事前処理が欠かせません。施工工程も、下塗りから中塗り、上塗りに至るまでの乾燥時間や温度管理が厳密にコントロールされてこそ、塗膜性能を維持できるのです。また、完了検査で仕上がりをしっかり確認し、保証書を発行してもらうことで、施工後の安心感も大きく変わります。

「見積もりの段階で何をチェックすれば良いのか分からない」、「保証内容ってどこまで含まれるのか不安」と感じている方も多いはずです。外壁塗装のガラスコーティングは高性能な施工法である一方、下地の状態や施工業者の技術によって結果が大きく異なるため、信頼できる業者選びも重要なポイントとなります。

本記事で紹介した流れや工程を参考に、自宅の外壁に最適な施工方法を見極めることで、将来的な劣化を防ぎ、無駄な出費を回避することが可能になります。まずは正確な診断と透明性の高い見積もりから始め、納得できる外壁塗装を進めていきましょう。

よくある質問

Q.ガラスコーティングを選ぶとどのようなメリットがありますか
A.最大のメリットは耐候性と防汚性能に優れている点です。ガラスコートは無機塗料であり、紫外線や雨水、酸性雨の影響を受けにくく、セルフクリーニング効果により外壁表面に汚れが付着しにくくなります。美観を長く保てるうえ、カビや藻の発生も抑えられるため、アレルギー対策や建物の健康維持にも貢献します。加えて、住宅の資産価値維持にもつながるため、将来的な売却時にも有利です。

Q.ガラスコーティングはすべての外壁材に施工できますか
A.適用可能な外壁材は限られており、モルタル・ALC・サイディングなどが一般的な対象となります。タイルや意匠性外壁には透明性を活かしたクリアタイプが向いていますが、木材や吸水性の高い素材には不向きな場合があります。また、施工前の下地診断で密着性の確認が必要で、劣化が進行している外壁には下地補修やコーキングの打ち替えを行う必要があります。素材ごとの対応可否を確認したうえで施工することが重要です。

Q.DIYでガラスコーティングを外壁に施工するのは可能ですか
A.市販のスプレータイプ製品を使用すれば理論上は可能ですが、専門業者が使用する業務用製品とは塗布性能や耐久性に大きな差があります。実際の施工には、下地処理や養生、乾燥時間の管理、塗布の均一性など多くの工程を正確に行う必要があり、素人作業では塗膜剥離や密着不良といった施工不良のリスクが高まります。10年から15年の耐久性を期待するなら、適切な技術と保証が伴う専門業者への依頼が現実的です。

会社概要

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